中国生活5年目ですが、日々感じるのは、中国の急激な経済成長と、市民の生活レベルの急激な向上。
すっかり便利になりつつあり、至るところで古いマンション、店の取り壊し、新しいビルの建築が進んでいますが、中国人が口をそろえて言うのが、
「物価の上昇の中で、上昇しないのは給料だけ」。
卡奴(カード負債の奴隷),房奴(家のローンの奴隷),孩奴(子どもの教育費の奴隷)
なんて言葉が流行っていますが、実際平均的な中国人の生活費とはどんなものなのでしょうか。
中国の首都北京で、マイホームもマイカーもない人の月収が1万元(約14万円)で、
それほど贅沢もしないというのなら、一体どんな生活ができるのだろう?
「中国新聞網」がこんな結果を載せています。
平均月収が4672元(約6万5千円、2011年調べ)の北京で月収1万元というと、
かなりリッチな暮らしができるかな、と日本人の感覚では感じますよね。
実際には、厳しい現実が待ち受けているようです。
支給額を1万元とした場合の手取りの計算
(1)税金類の個人負担額
・社会保険・公共積立金明細:
年金8%=800元、医療保険2%=200+3元、
失業保険0.2%=20元、公共積立金12%=1200元。
・個人所得税=322.70元
納税金額合計:2545.7元
手取り:10000-2545.7=7454.3元
(2)税金類の企業負担額
・社会保険・公共積立金明細:
年金20%=2000元、医療保険10%=1000元、
失業保険1%=100元、労災保険0.3%=30元、
出産保険0.8%=80元、公共積立金12%=1200元
企業の納税額合計:4410元。
生活費の計算
1.家賃 :北京の中心部から少し離れた第3、第4環状道路付近で
家具や電気製品完備の1LDKが最低3000元。
2.光熱費:インターネット料金、有線テレビの料金、衛生管理費約300元。
3.交通費:週末や雨天、残業でタクシーに乗る場合を除き、
普段は公共バスに乗るとして約200元。
4.食費 :出勤日22日は朝食5元、昼食15元、夕食(自宅)15元。
週末4回は外食などで1週末150元×4回=600元。
果物やおやつに1週間約80元で計300元。
合計 (5+15+15)×22+600+300=1670元。
5.雑費:本や洗濯洗剤、シャンプー、トイレペーパー等最低100元。
6.洋服代:控えめに見積もって300元。
7.携帯代:節約して使って100元。
8.交際費:恋人がいないとして、友人や同僚との交際費に最低600元。
恋人がいれば倍の1200元。平均900元。
誕生日、クリスマス、結婚、出産などのギフトに300元。
1年で約2000元として月平均約200元。合計:1100元
9.両親への仕送り:最低基準500元。
10.旅行費:1年に3回短期旅行に行くとして、600元(1回)×3回=1800元。
1カ月平均150元。
以上生活費の合計:
3000+300+200+1670+100+300+100+900+200+500+150=7420元。
手取り7454.3元から必ず必要な費用7420元を引くと、24.3元(約340円)。
ホントにほとんど残らない…。ちょっと衝撃。
中国大都市での生活を熟知しているなら、上の計算に首をかしげることはないでしょう。
もし、既にマイホームやマイカーを購入していたり、子供がいたり、さらに交友関係が広かったり、旅行に頻繁に行ったり、タバコを吸ったり、お酒が好きというなら、どうなるかは容易に想像できますね。
そのため、月末にちょっとお金がない、急な物入りなどのために、クレジットカードが必要となってくる。これが北京の現実。
でもこの厳しい現実が、人に働く意欲を与えてくれる活動力となるのです。
「人民網日本語版」2013年1月16日